動画配信サービスを作る場合、さまざまな形の収益モデルがあります。
一般的な動画配信サービスのモデルには、「有料プラン」があり、「有料プラン」をサブスク購入した場合に、動画コンテンツを閲覧することができるようにする、といったものがあります。
このような動画配信サービスおいては、サイトを訪れるユーザーは当然、サブスク購入をしないと動画が見れません。
その一方で、「無料ユーザーでもコンテンツを視聴できる」といった収益モデルもあります。
本記事では「再生速度や早送りといった機能を制限するが、動画自体は無料で見れる」という動画配信サービスのモデルが、「有料プランに加入しないと一切が動画が見れないモデル」よりも、なぜ優れているのか、ということについて解説します。
また、「再生速度や早送りといった機能を制限するが、動画自体は無料で見れる」モデルを採用している代表的なサービスなどについてもお話します。
私は長年にわたって、この動画配信サービス業界に身を置き、これまで50以上の動画配信サービスの立ち上げに携わってきました。
ここでお話しすることは、これから独自の動画配信サービスを運営される方にとって、有益であり、有料級のコンサルティング内容であると自負します。
短い記事です。是非、最後までお付き合いください。
「無料ユーザーでも、動画を視聴できるようにする」とは
「無料ユーザーでも動画コンテンツを視聴できる」といった収益モデルを採用している動画配信サービスが存在します。
この動画配信サービスでは、無料会員であっても動画を視聴することができるようにして、ただし「再生速度の変更」や「早送り」といった機能の利用を制限にする、といった形としています。
つまり、プランを購入していない無料ユーザーであっても、動画コンテンツを楽しむことができるようにしていると同時に、無料ユーザーには一定の「不便さ」をあえて与えている、ということです。
「無料ユーザーでも動画コンテンツが見れる」動画配信サービスとは
無料ユーザーには「再生速度」や「早送り(広告スキップ)」などの機能を制限するが、動画自体は見れるようにする、といったビジネスモデルを採用している動画配信サービスには、TVerやAbema、YouTubeなどがあります。
言うまでもなくそれらサービスはこれまで急成長してきており、さらなる成長を続けています。
なぜ、あえて「有料動画」を「無料動画」にするのか
本来、サブスク加入を条件として視聴できるようにする有料コンテンツを、なぜ「無料動画にしてしまうのか」という疑問があります。
言い換えると、
なぜ、お金を支払っていないユーザーであっても無料で動画視聴をさせるのか?という点がある、ということです。
これは、この「機能制限有りで、無料で動画が見れるモデルにする」ことの方が、「有料プランに加入しないと一切が動画が見れないモデル」よりも、圧倒的なメリットがあるためです。
もっと言うと、このモデルが「今の動画配信サービスの「最適解」のモデルであるからです。
次では、このモデルのメリットについて解説します。
メリット1:ユーザーにソリューションを提供できる
「機能制限有りで、無料で動画が見れるモデル」において、無料ユーザーは「動画は見れるが、動画のなかでたまに広告動画が流れる」といったユーザー体験となります。
動画の途中で広告が流れることにストレスを感じ、「広告を飛ばしたい!」と思ったユーザーは、サブスクプランに加入すれば、「早送り」機能が使えるようになるため、有料プランに加入します。
これは「再生速度」についても、同様です。
「1.5倍速で動画を見る」ことが日常になっているユーザーにとって、無料会員のままでいることは、「再生速度の変更」ができないことから、ストレスを感じ、不便です。
「再生速度を自由に変更したい」と思えば、有料プランに加入すれば、それだけでそのユーザーはハッピーになれます。
メリット2:広告費の削減になるため、結局安い
「機能制限有りで、無料で動画が見れるモデル」が優秀なこととして、「広告費を大幅に減らせる」といったことがあります。
「有料プランに加入しないと一切が動画が見れないモデル」では、そもそも広告しないとユーザーはサービスには来ません。
つまり「広告あっての集客になる」ということです。
「YouTubeやTwitterなどで●●万人フォロワーがいるから、そこで周知すればサブスクに加入してもらうえるでしょ!」といった安易な考えはとても危険です。
これまで私は50以上の動画配信サービスの立ち上げに関わってきました。
話が長くなるので、ここでは割愛しますが、私のお客様のなかには「YouTube登録者数何十万人」といった方々がいますが、そういった方々の周知力を持ってしても、有料ユーザーの獲得というのは、とてもハードルが高いものです。
繰り返しになりますが、SNSで周知しても有料ユーザーの獲得ができなかったら、永遠に広告を回し続けることとなります。
つまり、最初から「機能制限有りで、無料で動画が見れる」形として、無料ユーザーを獲得してしまった方が、「有料プランに加入しないと一切が動画が見れないモデル」よりも結果的に安くなる、ということです。
メリット3:成長している動画配信サービスが採用しているモデルである
「機能制限有りで、無料で動画が見れるモデル」が、「有料プランに加入しないと一切が動画が見れないモデル」よりも優れていることに、「いかにユーザーに滞在してもらうか」を解決している点があります。
動画配信サービス業界では、「ユーザーの滞在時間の取り合い」が激しさを増しています。
言うまでもなく、YouTubeやTicktok、TVerやAbemaといったサービスは、1秒でも多くユーザーに滞在してもらうための争いをしています。
これら大手サービスは、まずは ①ユーザーに知ってもらう ②動画を楽しんでもらう ③サイトに滞在してもらう ことを狙って、「コンテンツを無料で見れる」という形をとっています。
そして「動画サイトを開くことが習慣化」したあとで、ユーザーに「機能制限があることに伴うストレス」が蓄積していくことを待っています。
ご相談はお気軽に!
動画配信サービスを立ち上げることをお考えで、誰かに相談したいとお考えであれば、お気軽にご連絡ください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。